メルボルンではモーニントン半島ワイナリー巡り

パース空港を飛び立ったのは10時15分。3時間半のフライトの後、メルボルン着が時差の3時間がプラスされて午後4時45分。

 

広大なオーストラリアは、時差は通常3区分(東から日本時+1、+0.5、−1)だが、サマータイム(10月下旬〜3月下旬)には5区分(メルボルン、シドニー+2、ケアンズ、ブリスベン+1、アデレード+1.5、ダーウィン+0.5そしてパースの−1)になる。西に向かうと一日は長く使えるが、逆の場合は要注意。

 

三日間の滞在日程も、正味一日しかない。メルボルン近郊には有名なヤラ・ヴァレーが広がるが、あえて新興ワイナリー地区のモーニントン半島のみに絞ることにした。

 

メルボルン空港を出たのが午後6時。軽快に高速を飛ばすものの、やはり半島への出口にしくじり、暫く走り去った後にUターン。思えばこれまでのアデレードとパースは長閑(のどか)だった。国道Kings Wayを半島へ向かうメルボルンドライバーの激しいこと。
片道4車線の街道は過密で息が抜けない。宿を探してMt Elizaで海岸線を走っているうちに、怪しくなった。8時を過ぎて日没の後でも広い海は青く、空は明るいのだが、B&Bやホテルが見当たらない。お洒落な保養地とあって、眺めがよい別荘と保養所ばかり。暗闇で森の迷路をさまよう羽目になり、結局国道のモーテルにイン。193km走。 クレジットカードが使えないのは、オーストラリアでここだけだった。

翌朝9:30モーテル発。半島のワイナリー地区は、山林を伐採した牧場地区と共存し、田園そのものである。DromanaでFree Wayを降り、唯一10時から開いているT’Gallant(12,000ケース)へ行く。セラードアには、トロント銀行勤務時代の15年前に、目黒支店で2年間働いたと言うカナダ人がいて、久しぶりに分かりやすい英語を聞いた。
25haの小さなワイナリーで、25の栽培家からブドウと果物を仕入れていると言う。一気に8種類をテースティングした途端に、空腹感を覚えた。

 

ついで急勾配の傾斜地にあるParinga Estate。ピノ・ノア、シャルドネ、シラーズをわずか2,000ケース産出。それでも6種類のテースティングがある。聞いてみたが、ワイン種類を減らすつもりはない、と言う。この一帯ではここだけ造るというシラーズのスパークリングを35ドルで購入。
さらに下って、Stonier’s Wines(2万ケース)。外見は,道路脇に立つ資材置き場か体育館のようで迷った。人気のワイナリー。

昼食はRed Hill Estate(1万ケース)の、人気が高いMax’sで摂る。ここは10haのブドウ畑の向こうに海峡とフィリップ島が望める景勝地。若い腕利きのMaxをシェフで雇い入れたところ、料理も人気になって、レストランの名前を彼の名前に変えた。屋内に4人掛けのテーブルが20卓、外の芝生には6人〜8人用が3卓ある。えらい高齢者ばかりで満席。フロア−の小母さん達が若く見えた。厨房を覗くと、若いマックス君とパン切り職人そしてサラダ盛りの女性の3人のみ。

 

Soup of the dayは、King Prawn入りパンプキンクリームスープ。メインのラザニアにはぶっ飛んだ。紫きのこを甘く味付けし、パルミジャーノチーズとトッピング。ラザニアの下にはサーモンカラーの厚切り芋。いやはやその大量たることよ。デコレーションのセンスにも脱帽。しかし食べているうちに、濃厚すぎる味付けとオイルの使用に辟易し始め、おかげで翌日まで何も食べずに過ごすことが出来た。

 

パリンガで、この地域ではMain Ridge Estateが良いから行ってみては、と言われ、舗装もない狭い山道を分け入ってワイナリーに着いたが、大ヒット。26年前にこの地へ最初に入植した。シャルドネとピノ・ノアしか作らなく、年間1,000ケースのみの生産。ピノはアルコール度14%で17ヵ月の樽熟成。シャルドネは13.5%で11ヵ月の樽熟成。メルローも試してみたが駄目だったと言う。半島で最も冷涼な地区で、ピノの中心地にHalf Acre Pinot Noirを育て、これが看板ワインで45ドル(3千円)。

 

山歩きが好きで、10数年前にペルーのアンデスを20日かけて歩いた話、ネパールを歩いた話が出た。物静かな学者風貌の人物で、奥さんが途中でオリーブを摘まみで持ってきた。2人の写真を撮りたいというと、髪も乱れ化粧もしていないからと逃げられた。セラードアの裏がワインセラーになっており、階段で降りると地下は涼しく65F(18℃)。樽は38個しかなく、内4、5樽にはwaterと記してあった。苦労があっただろう。ワイナリーの周りのブドウ畑は十分手が入っていた。未来のロマネ・コンティになると信じ、一本買わない手はなかった。

 

B&Bはこの辺りにもあった。しかし看板は表札のように小さく、家も民家でしかない。これでは、夜に来て分かるはずもない。今夜の宿を考えあぐねているうちにPort Philip Estate(4,000ケース)を通りかかった。セラードアへ行くが、ちょうど5時で閉館だ、と姐が言う。
諦めて車へ戻ったところに、ワインメーカーが慌てて現れて、せっかく来たんだろう、俺が案内するよ、と言って2mを越すシラーズの畑に連れて行って説明してくれた。若い2人を呼んでセラードアも開けさせて、好きなだけテースティングもさせてくれた。ピノ・ノア・リザーブ98はシドニー・ロイヤル・ショーで金賞受賞品で40ドル。美味しいワインだったが、買いそびれてしまった。日本で見たときは、全部買い占めるからね。

 

今日は35℃のもと129kmを走った。明日は37℃になるらしい。

オーストラリアでは、カベルネ・ソービニヨンがキャバネ・ソービニョンになる。セミヨンがセミロンで、シュナンがシェニン。シャルドネはシャードネー。
英語読みだから致し方ないが、ピノ・ノアをピノ・ノイと呼ばれちまうとねえ。

<< マーガレット・リヴァの散策

休日のシドニーとハンターヴァレー >>

ページトップ