バロッサ・ヴァレー(Barossa Valley)へ行く

今日の走行は215km。アデレード市内のホテルを正午に出て,4時10分にB&B“Blickinstal Hillside”に到着。途中,道に迷うこと3度。迷ったはずが,来るべきところへ来た感じである。山の奥まった麓にあって,40℃の熱射を強烈な風で涼としている。バロッサ・ヴァレーの特徴がよく理解できる。
バロッサは,南仏のシャトー・ヌッフ・ドウ・パープに似る。強烈な日差し、まっ平らな地形,なだらかに傾斜した丘陵,それに烈風。ミストラルほど冷気を孕まないが,強さは相当なもの。この地でグルナッシュやシラーズを育てるのは正解なのだろう。
この地はドイツからの移民により開拓され発展した歴史を持つ。オーストラリアは世界中のブドウ枝のサンプルを導入したらしいが,バロッサにシラーズを植えたのはどういうきっかけだったのか。
シャトー・ヌッフ・ドウ・パープに地形が似るにもかかわらず,ヌッフのヴィオニエ種やマルサンヌ種等を使用した良質の白ワインが出来ないものか。この地でもリースリングやシャルドネが幅を利かせている。ドイツ系の移民であれば,もっと白ワインの品質にこだわってよいのではないか、などと思う。

今日廻ったワイナリーは4箇所。独りで運転しての旅となると,そうは飲んでもいられなく、いずれも須田氏の推薦付きに絞った。一箇所はすぐに退散。Rockford(19,500ケース)で息をつき、カベルネとセミヨンさらにポ−トワインを購入。
なんといってもPenfolds(ペンフォールド)のバカでかい化学工場のような醸造所には呆れてしまった。一旦ワイナリーのドアを開けたが,人込みにうんざりしてすぐ退去。豪州では1番。世界でも9番目の規模で、110万ケースを産出する。

 

対照的なのがCharles Melton(7,500ケース)。家族だけで経営・運営をしており、ブティックワイナリーと呼称する。家屋が狭いので外に樽を置いて、ワインを樽からステンレスタンクに戻しブレンドする作業を、熱射の中寡黙に男性が一人で行っている。狭いテースティング室も、昔の小学校の小さな理科室の様で愛しい。有名な“nine popes”はネーミングの妙。Chateau neuf du papeの英語読みで、売り切れて残念だった。男性の案内で、グルナッシュの成木やシラーズの若木を見、端正な作りに感心した。シラーズを記念に1本購入。
そこでの紹介で近郊の一軒家のB&Bへ来た次第。空腹なので、パンを焼いてもらい、夜をチーズとサラダ、ロッジから貰ったポートワインで過ごす。翌日支払いのときに知ったのだが、彼らはこの特別注文の料金を一切取らないのであった。

オーストラリア人の底抜けのお人好しを実感したこと2つ。

  1. アデレードで泊まったホテルの前にあるTシャツ屋「T shirts city」の スタッフはワインを700本収蔵するワイン愛好家。オーストラリアワインの値段を列記したgolden bookが役に立つと言って、翌日本屋で買ってホテルに届けてきた。彼は、お金を受け取らなかった。
  2. その近くの小さなタイ料理屋で夕食を取ったときのこと。飯と肉の料理を頼んだが、どちらもたっぷりとした量と辛さで食べきれずにいたところ、自分のサービスミスだと言ってオーナーが肉の料金を取らなかった。
    こんなこと、ありか?

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