ワイン入門
![]() |
||
![]() |
||
![]() |
||
ワインボトルの形には大きくブルゴーニュ形とボルドー形、それにアルザス形(ドイツワイン形)の3種があって、形でおおよそワインのタイプが予測出来ます。
ブルゴーニュワインはなでらかな「なで肩」の形をしています。一方ボルドーのボトルは「いかり肩」をしています。ボルドーワインは長期熟成タイプが多いので、十数年後にワインを注ぐときにでも中に溜った澱がいかり肩のところで止まるように出来ている、と言われています。
その国独自に使われていたボトル形以外は、世界中のほとんどの国で、この3種のボトル形のいずれかを採用しています。ブルゴーニュ式のなで肩ワインの中身は、ピノ・ノアやシャルドネといったブルゴーニュを代表するぶどうを主に造られたものが多く、ボルドーのいかり肩のワインは、ぶどうをブレンドしてボルドータイプのワインを目指したもの、そしてアルザス形の細いボトルの中身は、フルーティで爽快な白ワインと、おおよその予想が出来るのです(同じフランスの中でもローヌやラングドックなどはブルゴーニュタイプのボトルを使っていて、それはそれで理解するしかありません)。
A)ワインを愉しむ温度 ワインを味わうとき赤ワインは室温で、白ワインは少し冷たく、というのを聞いたことがあるかもしれません。これは比較的冷涼な地で、地下室にワインを保管できる環境の国での話です。適切な室温とは20℃前後のことらしいです。
買ってきたワインの大敵は、温度よりも何より振動です。ワインは家に運ぶのに費やした時間の分だけ保管してから飲むものと、言われています。結構いいワインを買ってきたと思ったら、少しワインを休ませてから開けるようにしましょう。
長期に保管するのなら別ですが、日常愉しむためのワインを普通の冷蔵庫に入れておいても構いません。赤ワインは15℃〜18℃、白ワインは10℃〜15℃くらいで提供するようにします。冷蔵庫が10℃だとすると赤ワインは1時間前、白ワインは10分前に出して置けば、適温近くになります。
白ワインの爽やかさや適度な酸味は、冷たいほうが効果的です。一方赤ワインは冷たすぎると渋みが強調され、香りも立ちずらいものです。
季節によって愉しむ温度は多少違ってきて、夏の暑いときはさらに冷たいほうが美味しく感じます。白ワインは氷を入れた水に漬けておくと、冷たさが持続します。
B)デキャンティングは必要? ワインボトルから大きなワイン用のガラス容器にワインを移すことをデキャンティング、デキャンタといいます。レストランなどで、ソムリエがボトルの首下に懐中電灯(ローソク!)を当てながら、恭しくデキャンティングしているのを見ると、とても高額の銘醸ワインを飲んでいるように思えるものです。
デキャンタするとワインの味と品質が向上すると誤解してか、よくデキャンタを望む人がいます。ワインが空気と触れることで滑らかになり、香りも強くなると思ってのことでしょう。
ワインを移し換えることで、確かに味や香りに変化が現れます。でもこの変化がワインの特長を損なう懼れに留意したいものです。ことにブルゴーニュやロワール、スイスワインなどの可憐で微妙な香りがあるワインは、その限られた風雅が何よりの愉しみですが、デキャンタされると香りが飛んで、味が平凡になることがあります。
C)ワインを飲む順序 一般にワインは軽い順に出すのが良いとされています。赤ワインの前には白ワイン、重く渋いワインの前には、爽快なワインを飲んだ方が良いといわれています。
食事の味付けや内容に応じてワインを愉しむとよいのですから、初めに赤ワインを飲んで、次に白ワインで雰囲気を変えることもよくあります。
D)少しのマナー ワインのテーブルマナーというと堅苦しいですが、レストランや友人宅で愉しくワインを堪能するときに覚えておきたい最低限のマナーとしては、「グラスはテーブルに置いて受ける」「ワインは男性が注ぐ」「グラスで乾杯するのは要注意」ということです。
ホストは客のグラスの1/3を目安に注ぎます。中のワインが少なくなったら、注ぐように留意します。注ぐとあわてて飲み干そうとする人がいますが、残っている上に注ぎ足すようにします。
「乾杯!」で宴も盛り上がりますが、ワイングラスは大きいわりに薄く造られており、ワインが入って重くてうっかり割れやすいものです。「乾杯」はグラスを持ち上げるだけにとどめ、グラス同士を「カチン」と合わせるのは避けましょう。「カチン」と音がするたびに、レストランのオーナーは「かちん」ときている筈です。
| 参考図書、文献 | 本稿を書くにあたっては、以下の図書、文献をちらちらと見ては事実を確認して愉しみました。
|
||
![]() |
||
|
||
|
||
|