ワイン入門

Part4 ワインを愉しむための小道具

| グラス |

ワイングラスは色々あります。

酒の愛好者には好みの徳利とぐい飲みが欠かせないように、ワインにはワイングラスが欠かせません。どのようなグラス・コップでも良さそうですし、野外で飲むにはコップでもよいでしょうが、グラスに見合ったワインしか飲めないものです。
自宅でそれなりのワインを愉しむのであれば、グラスは透明(なるべくクリスタル製)で、ある程度の大きさがあるシンプルなものを求めたいものです。後述しますが、ワインをより愉しく味わうために、ワインの色や香りを吟味するようになります。そのためにも、色が付いたグラスや小さなグラスでは十分な効果が期待できませんので、しっかり足がついたグラスを求めましょう。

ボルドーワインボトルと
ボルドー形グラス

ブルゴーニュワインボトルと
ブルゴーニュ形グラス

ボトルの形に、大きくボルドー(いかり肩)形とブルゴーニュ(なで肩)形があるように、グラスにも大きくボルドー形(チューリップ形)とブルゴーニュ形(球体:バルーン形)があります。いずれも胴のところに膨らみを持たせ、ワインの香りが充満できるようになっています。多くて迷いますが、最初に求めるのはどちらにも使え、赤ワインにも白ワインにも使える万能タイプが一番です。

万能タイプのグラス

グラスの値段は意外と高くて驚きます。薄いクリスタルグラスは種類が多く、有名な海外のものには一脚で1万円を超えるものもあります。複雑なカットやデザインで装飾されたものはとても高価ですし、ワイン賞味用としては不適切でしょう。安いもので厚手のものも避けた方が賢明です。

ワインパートナーがドイツから輸入しているワイングラス【トップテン】は、ドイツのソムリエがデザインしただけに機能的にデザインされていて、またこれまでのどのグラスよりもワインが美味しく味わえます。1脚が2,600円(税込)とお手頃ですし、何より世界で一番割れなく透明度が強いクリスタルグラスなので、利用価値が高いグラスといえます。

| グラス拭き |

グラス拭き

せっかくワイングラスを買ったのですから、グラスに他の臭いが移ることは避けたいものです。グラスを使用した後、レストランや欧米の家庭では食器洗浄器で洗うのが一般的ですが、わが国ではまださほど普及していません。グラスを洗うときに、不注意に他の食器と同じスポンジや布を使うと、どうしてもそれらの臭いがグラスに付着してしまい、次回にワインを味わうときに妙な臭いがしてがっかります。ワインをワイン本来の味で愉しむためにも、最初は面倒と思われるかもしれませんが、グラス洗い専用の布を用意しましょう。
スポンジは時として思わぬ力が入って、薄くて貴重なグラスが割れる場合があります。私の経験では、グラス専用の布を買って以来、グラスを割って呆然とすることがなくなりましたので、グラス専用布の使用(一枚250円位)をお勧めします。

 

洗ったあとは、さかさまにして吊るすか清潔なふきんの上に置いて乾燥させてください。グラスを拭く場合も、くれぐれもふきんの臭いが移らないように気をつけて。もし臭いが残った場合は、塩を入れてお湯で洗ってすすぐと霧消します。

 

よいグラスを揃えたら、次はやはりコルクスクリュー (ワインオープナー)の準備でしょう。

ワインオープナーとソムリエナイフ

無料でよく貰うスクリューが付いたT字型のオープナーを使っている人がいますが、これで力任せにワインを開けると、せっかくの料理の前で血圧が上がってしまいます。瓶も揺れるし、ひょっとしてワインの飛沫が服を汚す場合もあります。
かといって、ソムリエナイフ(ソムリエがレストランで使うナイフとコルクスクリューが一体になった細いもの)は、てこの原理に慣れないと使いづらいものです。スクリュー式で上部のねじを回せばスクリューがコルクに入り、そのまま自然とコルクを浮き上げるタイプがお勧めです。

 

これにも各種ありますが、ドイツ製がデザインと機能面で最上です。悩みはチト高い(3,000円)ことと、別にボトル上部のアルミフォイルを切るカッター(500円)も揃える必要があります。最近はこれらの機能が付いて、さまざまに工夫を凝らした物も出ています。

 

ワインはコルクで留めてあるのが特徴です。昔ながらのコルクが希少になって、コルク屑を集めた圧縮コルクや模造コルク類も出ています。コルクを開ける煩わしさとコルクから来る弊害(コルクの臭いがワインに移ったり稀に品質に変化をもたらしたりすること)を避けるために、最近はアメリカやオーストラリア、ニュージーランド等ではスクリューキャップ方式のワインを作り、輸入もされていますが、コルクへの愛着も強く、まだ一般的とは言えません。

ワイン入門ガイド本

そして適切な入門ガイド本が必要でしょう。数多くありますが『ワインの本』(辻静雄著。新潮文庫。667円)と、なぜこんな邦題にしたのか分からないのですが『世界一ブリリアントなワイン講座』(ジャンシス・ロビンソン著。塚原正章訳。集英社文庫。上下各1,048円。原題は“Jancis Robinson’s WINE COURSE”)をお勧めします。

 

あまりに著名な二人によるこれらの本は、該博な知識と経験に基づいて分かりやすく体系的に記されていますが、何よりワインへの愛情とワインを愉しむ術に溢れています。辻静雄氏は食とワインに素晴らしい味覚と洞察力を保持され、日仏の食文化のみならず人材交流にも多いに貢献されました。いわずとしれた辻クッキングスクールの創設者で、その早い夭折はつくづく悔やまれます。
ジャンシス・ロビンソン女史は、英国で唯一マスター・オブ・ワインの資格を持つジャーナリストです。チャーミングでウィットに富み、馥郁たる香りの書物を多く著わしています。

 

本来は何をおいてもここで『ヒュー・ジョンソンの楽しいワイン。文春文庫』も紹介したいのですが、残念ながら日本語版の在庫がありません。
いずれにしても、このような本を手にしながら飲むと、知らず知らずにワインの世界に親しくなるばかりか、いっそうワインへの愛着が増してくるようです。

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