ワイン入門

Part1 ワインを愉しむ

ワインの用になるぶどうの木は、できるだけ不毛の地で、その地は作物・果樹の収穫の用として見捨てられた大地に育つそうです。
意外に思われるかもしれません。私たちが日常よく食べるぶどう−甘く、とても小粒のものから巨峰にいたるまで数多い品種−が、肥沃な土地で丹念に造られているのですから。生食用のぶどうとワインのぶどうは違うものでしょうか。
ぶどうの源は黒海の周辺、メソポタミアや今のグルジア辺りで、6千年前に遡るそうです。大観すると、ぶどうは西に向かって飲料用になり、ギリシア文明、ローマ文明、キリスト教の拡がりと共に、アフリカ北部や欧州はスコットランドまでワインとして広まったのに対し、東にはシルクロードを通じて生食用として伝播されたと言ってよいでしょう。ぶどうの品種も栽培法も、大きく異なっています。世界的に見て、ぶどうといって食べるものを連想するのは少数派とも言います。

ワインになるぶどうの木の根は、不毛の地の底を這います。固い土をもろかは、石・岩脈を避けながら、地層を破り、深く広がるのです。大地を裂いて、最も過酷な自然にもがきながら、命の開花を求めて沈下するようです。やがて水脈に辿り着くと、思い切り水分を吸い上げ養分となって根から幹に伝わり、大地の上で葉脈を広げます。その営みに成功した根だけが、忍従十年、逞しい木を育てまろやかで優れたぶどうを結実するのです。かけた苦労の厳しさの分だけ、数十年後にぶどうの実となり、素晴らしいワインとなって報われるのです。

 

ワイン−ぶどう−大地−水。人知れず大地の底で繰り広げられた営みの成果が、われわれ人間に甘美な喜びをもたらします。辿り着いた地層の水が、ぶどうの木を通じ、味わい深く豊かな液体として変化を遂げるもの、それがワイン。それがワインを愉しむ秘訣の「イ」と知ったあなた。どうです、あなたもワインを愉しむ扉を開けてみませんか。ワインパートナーは、あなたのワインを愉しむパートナーとして、お役に立ちたいものです。

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